<開催概要>
日 時:2019年11月20日・12月18日・2020年1月15日・2月19日
場 所:いけだピアまるセンターなど
テーマ:未来から考える池田の防災〜フューチャーデザイン×システム・デザイン思考〜
2019年に大阪で発生した大停電をまねいた台風災害では、あることが当たり前のものがないという状況下で、人々の価値観にも大きく影響を与えました。 そこで、CfIでは、今多くのものが考えているまちの未来とは違う未来があるのではないかと考え、「フューチャーデザイン」という手法を用いて、未来のまちに求められるニーズを洗い出し、さらにはシステム×デザイン思考を用いて未来にむけた解決策(機能)をデザインしました。このデザインが、今のCfIの活動のベースとなっています。
<Day1> 2019年11月20日
「フューチャーデザイン」を用い、日頃とは違った視点で”池田の防災”を考えます。
「フューチャーデザイン」とは、大阪大学工学部発で、近年自治体を中心にその有効性が認められてきた、未来を考えるための新しい学問体系です。学問体系というと堅く感じられるかもしれませんが、その手法は多様なステークホルダーによるワークショップが基本となり、参加者自らが「未来人」となって、あたかも現代の私たちが現代の課題に取り組むように、少し先の未来の課題を考え、いま行動すべきことを見出だすアプローチです。
※大阪大学大学院工学研究科附属フューチャーイノベーションセンター
<Day2> 2019年12月18日
引き継き「フューチャーデザイン」を用いて、205X年までに70%の確率で発生するといわれる“南海トラフ地震“を未来から考えます。
<Day3> 2020年1月15日
災害といった、私たちが直面する複雑な問題を解決するには、部分だけでなく、物事を全体としてもとらえ、システマティックかつイノベーティブに考えることが求められます。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科(SDM)が、システム思考とデザイン思考を融合し開発した「システム×デザイン思考」を用いて、未来から池田の防災をデザインしてみます。前回フューチャーデザインを用いて描いた未来のコンセプトから具体的なソリューションをデザインします。
<Day4> 2020年2月19日
資本主義や民主主義など現在の課題解決を考えるアプローチには限界があります。誰もが他人事となる防災という未来の課題に対して、阪大が開発したフューチャーデザインと、慶應が開発したシステム×デザイン思考を組み合わせて、未来からデザインしてみます。12月定例会で出てきたアイデアをベースにして、そこに新しいアイデアを追加しながら、2020年の未来における「池田の防災」をデザインします。
<結果>
フューチャーデザインの手法により、2060年の未来にタイムマシンでとび、その世界を描き、その世界で災害が発生した場合に必要となる機能をデザインした。
その結果、2060年の未来のまちは、次のような世界になっています。
場所の概念が大きく変わり、バーチャル上に住む(仕事もする)ことを基本として、必要に応じてリアルな拠点を利用する。
それに伴い、地域コミュニティのあり方も大きくかわり、バーチャル上でゆるやかなコミュニティを形成しつつ、個人を認識する強いコミュニティも持つ。
そのバーチャルな時代においては、一方で、災害時などに新しいリアルな繋がりや拠点が求められる。
具体的には次のような機能が必要となります。
バーチャル上に住むことになることから、コミュニケーションの手段として『ネットやSNS』機能が大きく進化します。
ただし、地元に居ながらバーチャル上で活動することが多くなることから、逆に、地元の『地域拠点』機能が見直され重要となります。
一方、いざという時に『個人特定アプリ』機能が必要となります。
また、いざという時に『逃げ場』機能も必要となります。
地元の拠点が重要視されるとともに、いざという時に逃げ場も必要となることから、地域の『空き家』機能が必要となります。
それらを支える『医療』『農業』『エネルギー』『インフラ』『地域通貨(財政)』機能が見直され重要となります。
つまり、バーチャルの時代だからこそ、普段は、バーチャルでの地域コミュニティで緩やかかつ強く繋がりつつ、いざという時は、ハードやアナログでの地域拠点で繋がり、それらを行き交いにすることで感じる・体験するアナログ的な価値が「新しい時代における生き方」そのものになります。
では、バーチャルの時代だからこそ求められる「ゆるやかなコミュニティ」とは何かを,
ブレストから親和図を用いて考えました。
そのブレストの結果を、2軸を用いて俯瞰しました。
その結果、これまでの自治会など社会性のある強い繋がりの地域コミュニティは、将来益々縮減していく一方で、例えばツイッターのような、ある意味自己中心かつ緩やかなバーチャルのミュニティは増大します。そのため、将来にむけては、ゆるやかでありながら社会性のある、しなやかな新しいコミュニティが求められます。いざという時(非常時・災害時)に、互いに助け合えるような社会性のあるしなやかなコミュニティを形成できるように、日常時から、それらに繋がる趣味などのゆるやかなコミュニティを構築しておく。
ゆるやかでありながら社会性のある、しなやかな新しいコミュニティを考えるうえで、「災害×趣味コミュニティの機能とは?」のブレストから、グルーピング、親和図へ。
◯公園キャンプ 〜防災マイスター・サポーター検定〜
1. 背景 ・これまでの自治会など社会性のある強い繋がりの地域コミュニティは、将来まずます縮減していく一方で、ツイッターのような、ある意味自己中でゆるいバーチャルのミュニティは増大していく。将来にむけては、てきとうでありながら社会性のある、しなやかな新しいコミュニティが求められる。
2. 目的 ・ふだんは、ゆるく繋がり、いざという時には、しなやかに助け合える、新しいカタチのコミュニティ形成を目指す。
3. コンセプト 「公園キャンプ 〜防災マイスター・サポーター検定〜」 公園でのキャンプイベントの開催を通じて、楽しくゆるいコミュニティを形成しつつ、ひとりひとりのサバイバルスキルを楽しく身につける。同時に、非常時にむけて、しなやかなコミュニティ形成と災害シミュレーションを行う。
4ソリューション(機能) (次回ここのIT化をデザインワーク予定)
<追記> これらをデザインした2019年では、もっと未来のことと考えていましたが、コロナ禍により一気に在宅勤務やオンライン化が進み、それに伴い地元やコミュニティのあり方が見直されることになりました。また、デザインした機能を、次のとおりコロナ禍での状況に当てはめてみました。多くが当てはまる一方で、残る「農業」や「エネルギー」、「インフラ」は今後注目されるところかもしれません。また今こそ、日常時はゆるく繋がりつつ、いざという時に助け合うなど強く繋がれる「しなやかなコミュニティ」が求められているのかもしれません。
『ネットやSNS』機能 →通信料低価格化、zoom、clobhouse、Miroなど
『地域拠点』機能 →ステイホーム(自宅)
『個人特定アプリ』機能 →コロナ接触アプリ
『逃げ場』機能 →コロナ療養ホテル
『空き家』機能 →ワクチン接種会場
『医療』機能 →コロナ対応病院、ワクチン接種医療者
『農業』機能 →?
『エネルギー』機能 →?
『インフラ』機能 →?
『地域財政』 →paypayポイント還元キャンペーン、休業補償金など
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